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著作権とか肖像権とか、再確認してみました

はじめに:身近だけど意外と知らない「権利」の話

最近では、授業や学校イベント、SNSなどで写真や動画、教材を使う場面が増えていますよね。
「これって勝手に使ってもいいの?」と疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

「知らなかった」では済まされない時代だからこそ、ルールを知って安心して使いたいですよね。

「著作権」と「肖像権」の基本に加えて、学校などの教育機関ではどんな例外が認められているのか。5つの実際にありそうなケースについて「著作権」「肖像権」「注意点」を私なりにまとめてみました。

※より詳細な情報については、それぞれの出典元の情報を参照してください。また、個別のケースによっては判断が異なる場合もあるようですので、ご注意ください。

私は法律の専門家ではないので、全部を理解しきれているか若干あやしい部分があります。
必ず出典元にてご確認ください。

(2025年4月調べ)

1.基本となる前提:一般的な著作権と肖像権とは?

著作権とは?

  • 誰かが創作したもの(文章、写真、音楽、イラストなど)を守る権利です。
  • 著作物を無断でコピーしたり公開したりすることは、原則としてNGです。

肖像権とは?

  • 人の顔や姿が写った写真・動画を、本人の許可なく使われないようにする権利です。
  • 法律で明確に規定されてはいませんが、プライバシー権や人格権の一部として裁判で保護されています。

内閣府「プライバシー侵害となる可能性のある事例」
https://www8.cao.go.jp/shugi/sangiin/162/syuisyo/s162syuisyo010.html

2.教育現場での「著作権の特例」とは

学校などでは一定の条件で使用OK

実は、教育機関では特定の条件下で、著作物を許可なく利用できる例外があるようです。
たとえば…

  • 授業の一環で画像・動画・文章などの使用
  • 教材をコピーして授業中に配布
  • 学習目的での生徒のレポート・発表

これらは、「著作権法 第35条(学校その他の教育機関における複製等)」によって認められています。

🔗 出典:e-Gov法令検索「著作権法 第35条」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048

※ただし、何でもOKではない

  • 授業目的以外(文化祭のパンフレット、校外への配布物など)は対象外
    物理的に残るものは、基本的にNG(1日限りの捨て看板はOKなど)
  • 必要最小限の利用にとどめること
    授業資料といいつつ大量にコピーをとるなどはNG
  • 営利目的の学習塾などは対象外の場合がある

2020年の法改正で導入された「著作物の公衆送信の補償制度」では、一部の教材配信やオンライン授業も許可されるようになりました(有償補償制度あり)。

🔗 出典:SARTRAS(授業目的公衆送信補償金制度)
https://sartras.or.jp/

3.肖像権は教育現場でも配慮が必要

教育機関であっても、肖像権には例外がなく、本人の許可が必要です。
様々な事情で写真を撮られたくない人がいることにも、理解が必要です。
たとえば…

  • 生徒や先生の写真を学校のWebサイトやSNSに載せる
  • イベントの写真を広報資料に使用する
  • 部活動の写真をグループLINEに載せる

こういった場合には、保護者や本人の同意を得ることが基本です。

ポイント:「写っていても問題ないだろう」は通用しないので要注意!

トラブルケース

  • 学校関係者、友達同士や保護者、学校行事の参加者などが撮影した写真や動画に、本人・保護者の許可なく映り込んでしまっている
  • 生徒同士が授業で撮影した写真・動画への映り込み

たとえ、それがデジタルでない写真・動画をだったとしても、いつ誰がそれがネット上にアップしたり、どう使ったりするのか、撮られた側からはそれを止られる手段など無いのですから。

4. まとめ:教育現場でも、権利への配慮は大切に

著作権や肖像権は、創作した人や写っている人の「大切な権利」です。
学校では一定の特例が認められていますが、「ちょっとだけだから」「教育だから」という感覚だけで使ってしまうと、トラブルのもとに。

ポイントは…

  • 著作物:授業での利用はOKだが、範囲は要確認
  • 肖像権:常に配慮が必要、掲載前に確認しよう
  • 出典や制作者の表示も、作った人へのリスペクトをもって

こんな時って?

1.音楽の演奏(例:合唱、ピアノ発表)

一般的

  • 著作権: 音楽を演奏する場合、原則として著作権者に演奏権が及びます。営利目的で演奏する場合は、著作権管理事業者(JASRACなど)への手続きが必要です。非営利目的の個人的な演奏や、ごく限られた範囲での演奏(例:家族や友人内のパーティー)であれば、通常は問題になりません。
  • 肖像権: 演奏する人の肖像権が問題になることは、通常ありません。

学校の特例

著作権:

  • 学校の授業の過程で、教育目的のために音楽を演奏することは、著作権法第35条により、権利者の許諾なく行うことができます。ただし、録音・録画して頒布する場合は、別途許諾が必要になることがあります。
  • 学校の授業中はOKですが、発表会や文化祭での演奏にはJASRACなど管理団体の許可が必要になることがあります。

肖像権:

  • 演奏する児童生徒の肖像権は、学校が教育活動の一環として記録・公開する場合、事前に本人・保護者から同意を得ていることが一般的なようです。

2.絵の模写

一般的

著作権:

  • 他の人が描いた絵を個人的に模写する行為は、私的使用のための複製として、著作権法上問題ありません(著作権法第30条:私的使用のための複製)。ただし、模写したものをインターネットに公開したり、販売したりする行為は、複製権や翻案権を侵害する可能性があります。

肖像権:

  • 絵画の被写体に肖像権がある場合でも、絵を模写する行為自体が肖像権侵害になることは通常ありません。ただし、模写した絵を公開・利用する際に、被写体の名誉を毀損するような形であれば問題となる可能性があります。

学校の特例

  • 著作権
  • 学校の授業で教育目的のために絵を模写することは、(著作権法第35条:学校その他の教育機関における複製等)により、権利者の許諾なく行うことができます。
    模写したものを校内発表する程度であれば問題ありませんが、インターネット公開や頒布は権利者の許諾が必要となる場合があります。
    展示やWeb投稿すると著作権の問題が生じます

肖像権:

  • 一般的と同様

3.キャラクターのドリルなど教材のコピー

一般的

著作権:

  • 人気キャラクターは著作物であり、ドリルに掲載されているキャラクターの絵や文章も著作物です。個人的な利用であっても、ドリル全体を許可なくコピーする行為は、複製権の侵害にあたります。一部のコピーであっても、量や目的によっては侵害とみなされる可能性があります。

肖像権:

  • キャラクター自体に肖像権はありません(肖像権は人に認められる権利です)。

学校の特例

著作権:

  • 学校の授業で、教育目的のために必要最小限の範囲でドリルの一部をコピーすることは、著作権法第35条により認められる場合があります。ただし、ドリル全体をコピーしたり、市販されているドリルを代替するような大量コピーは認められません。また、キャラクター部分だけを強調してコピーすることも、権利者の利益を不当に害するとして認められない可能性があります。
  • ドリルやワークブック著作物そのものです。学校でも「授業で使う範囲」に限定されており、全ページコピーなどはNG

肖像権:

  • キキャラクター自体に肖像権はありません(肖像権は人に認められる権利です)。

4.有名人や芸能人の似顔絵

一般的

著作権:

  • 芸能人の似顔絵を描く行為自体は、著作権侵害にはあたりません。描いた似顔絵の著作権は、描いた人に発生します。ただし、既存の芸能人の写真などを元に描いた場合、元となった写真の著作権が問題になる可能性はあります。

肖像権:

  • 有名人や芸能人にも当然、肖像権があります。描いた似顔絵をみだりに公開したり、名誉を毀損するような形で利用したりすると、肖像権侵害となる可能性があります。
    特に、商業目的で利用する場合は注意が必要です。

学校の特例

著作権:

  • 著作権: 学校の授業で、教育目的のために芸能人の似顔絵を描くことは問題ありません。描いたものを校内発表する程度であれば、通常は問題になりません。

肖像権:

  • 描いた似顔絵を学校のウェブサイトや広報誌に掲載する場合など、不特定多数の人が閲覧できる状態にする場合は、肖像権に配慮が必要です。一般的には、教育活動の一環として相当な範囲であれば問題視されないことが多いと考えられますが、過度な公開は避けるべきです。
  • 肖像権・パブリシティ権の対象に。教育目的でも「授業中の創作」まで。ポスター・SNS投稿はNGです。

5.マンガやアニメ、ゲームなどメディア作品の二次創作

一般的

著作権:

  • マンガやアニメ、ゲームなどメディア作品のキャラクターやストーリーは著作物であり、二次創作(ファンアート、同人誌など)は、原則として著作権者の持つ翻案権や複製権を侵害する可能性があります。しかし、多くの場合、著作権者は一定の範囲内での二次創作を黙認または推奨しています。ただし、商業利用や、原作のイメージを大きく損なうような二次創作は問題となることがあります。

肖像権:

  • マンガのキャラクター自体に肖像権はありません。

学校の特例

著作権:

  • 学校の授業で、教育目的のためにマンガのキャラクターを用いたり、二次創作的な活動を行うことは、著作権法第35条の範囲内で認められる場合があります。ただし、作成した二次創作物をインターネットで公開したり、頒布したりする場合は、著作権者の許諾が必要になる可能性が高いです。

肖像権:

  • 原則NGですが、黙認されているケースもあります。教育の場では「練習の一環」であれば使用可能ですが、同人誌やSNS投稿などの発信は避けるのが安全です。

ポイントまとめ

  • 学校の授業中は「著作権法35条」のおかげで特例があるけれど…
  • 肖像権やパブリシティ権には特例がない
  • 公開・配布・SNS投稿は「授業」とは見なされない →注意!

おわりに

「知らなかった」では済まされない時代だからこそ、基本を押さえて正しく使いたいですね。
私もこの記事の作成を通して、改めて気をつけようと思いました。
みなさんも、身近な場面でぜひ意識してみてくださいね。

※より詳細な情報については、それぞれの出典元の情報を参照してください。また、個別のケースによっては判断が異なる場合もありますので、ご注意ください。

出典付き・各ケースの著作権・肖像権の参考情報

音楽の演奏について

絵の模写について

人気キャラクターのドリルなどの教材のコピーについて

④ 有名人・芸能人の似顔絵を描く場合について

マンガやアニメ、ゲームを含むメディア作品の二次創作をする場合について

おすすめ:出典のまとめ

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